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1.「美術館について」 「美術館ってなんだろう?」 美術館って実はなんなんだろう?「美術館ってなんですか?」というストレートな質問をされると「美術館とは○○です!」と自信を持って明確に答えられるものではないのでは。そうなんです。ですからまず美術館ってなんなのかをはっきりさせましょう。 |
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まずは博物館について 博物館には色々な種類があります。 歴史博物館、科学博物館、民俗博物館など。実は動物園も博物館なのです。そして美術館も厳密には「美術博物館」で、略して「美術館」なのです。 博物館が「博物館」であるためには色々な定義を満たしていなければなりません。その定義は国際的な基準を基に国によって定められています。 |
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博物館の定義 国際的な基準(イコム:国際博物館協会による定義) 博物館とは、社会とその発展に貢献するため、研究・教育および楽しみの目的で、人間とその環境に関する物的資料を収集、保存、研究し、これを伝達、展示する、人々のために開かれた非営利の恒久的機関である。 |
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日本の基準(博物館法による定義) 「博物館」とは、歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管(育成を含む)し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な事業を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関(社会教育法による公民館及び図書館を除く)のうち、地方公共団体、民法第三十四条の法人、宗教法人、または政令で定めるその他の法人が設置するもので規定による登録を受けたものをいう。 |
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日本の定義は細かく、難しい感じがしますが内容的には国際的な基準と同じことを語っています。美術館も美術博物館として、これらの定義に則って運営されています。 |
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博物館や美術館は楽しみのためだけにあるのではなく学習の場であり、人類共通の財産を収集し、保存研究をする場所なのです。そして大切なことはその時の思いつきで作る施設ではなく恒久的(いつまでもその状態を続けること)な施設で、非営利(収入を得るためではない)な施設であるということです。 美術館は美術博物館ですから美術品や美術に関する色々な資料を収集し保存、研究します。そしてそれらを定期的に展覧会として利用者に伝達します。 美術作品には様々な時代や文化を背景として、その時々に人間が考えた事柄が表現されています。そこに表現されていることは時代や文化を越え、人類共通の財産となりうる力を持っています。また共通でないとしても人類という多様な生物が持つ複雑な文化的差異(違い)や時代による社会通念(常識)の変化などを学び、未来を考える助けになる可能性も持っています。そういうものを「知的財産」といいます。美術作品は「物」ではなくそのような人間にとって大切な知的財産なのです。ですから美術館は単に物を収集、保存、研究しているのではなく、過去・現在・未来という大きな時間をつないでいる場所なのです。 |
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昨今の美術館事情 現在全国には何百館という美術館が存在しています。大規模な国立美術館、県立美術館から私立美術館、法人が運営する美術館、市町村立美術館など、一口に美術館といっても規模も運営母体も資料内容も多種多様です。リアス・アーク美術館は気仙沼・本吉地域の広域組合が管理運営を行っていますので、分類すると市町村立と同様の美術館になります。 全国的に見て美術館の運営は簡単ではなく、ここ数年でも閉館された美術館は少なくありません。「非営利」を定義している美術館では収入にも限界があり、収入だけで館を維持してゆくことは非常に難しいことなのです。 多くの美術館は知的財産を支えようとする人間の良心や使命感、歴史や文化に対する畏敬の念、未来に対する責任感と愛情によって維持されています。美術館や博物館が町にあるということはそういった意識が強いということのあらわれであり、それが維持できなくなるということはその逆を意味してしまいます。 美術館や博物館に対しては一般的な希望として「もっと分かりやすいもの、楽しいもの、アミューズメント的な要素と観光施設としての魅力が欲しい」というような意識が強くなっています。しかし、はたして本当にそれでよいのでしょうか?私たちは美術館や博物館がなんのために作られたものなのか、しっかりと考えなければならない時期にきているのかもしれません。 |
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学芸員とは何か 博物館が博物館と名乗る上で絶対に必要な職員が学芸員です。学芸員はどのような博物館にも必ずいて、資料の収集、保存、研究、伝達という博物館の基本となる仕事を具体的に行っている人です。美術館の場合、学芸員は美術の専門家で、もちろん作品を作ることから美術の歴史、美術教育、展示学など美術に関する様々な知識と経験を持っています。 具体的な仕事としては様々な作家と会ってその考えをまとめたり、作品を分析(材料や技法、歴史的背景など)して資料を作ったり、そういったものをもとにして展覧会を企画し、その内容を一般の人に伝えたり、また美術に関する様々な質問などに答えることや、色々な技術を教えること、収蔵作品が傷まないように保存管理することなど、様々な仕事をしています。基本的には研究者という事になっていますが、その研究内容をいかに分かりやすく、面白く伝えることができるかということを考えなければなりませんので、そういう意味では表現者でもあるのです。 |