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◎時代や社会の中へ: 長い歴史を経てたどり着いた「美術表現」。かつての職人的役割から開放され、表現の自由を獲得した美術家は、様々な時代や社会の中で多くの芸術活動を展開してきました |
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人類の歴史上、何度も繰り返されてきた過ちがあります。人が人を殺す「戦争」。戦争は多くの場合、思想のずれや人間の欲望によって引き起こされてきました。たいていの場合、参加している人間の全てが戦争を望んでいるわけではないのです。そして多くの場合、戦争を望まなかった人々が犠牲になってきました。 美術家を初め、多くの芸術家(アーティスト)は、早くから過ちに気づき、それを阻止するために作品を生み出してきました。芸術家は人類の未来を豊かにしたいと願っています。そしてそのために必要な意識や思想を「作品」として表現し、世に問いかけてきたのです。 ピカソという作家はキュビズムの作品で知られる世界的巨匠です。キュビズムとは、それまで固定した一点から物を描写していた考えを捨て、人間が物事を認識する際に行う自然な行為としての多視点的視覚認識によって絵画を表現しようとした考えであり、人間の身体を絶対としたその姿勢は表現の自由を確立する上で絵画の歴史に大きな功績を残しています。 そのピカソの代表作で、「ゲルニカ」という作品があります。戦争によって破壊されてゆく祖国、故郷を愁い、制作された巨大な作品は、人類の宝とされ後の世の多くの人々に戦争の忌まわしさを伝えています。 アーティストは常に人類全体に関わる問題を深く考え、その思いを作品に込めるのです。実はそういった優れた作品が世界中にはたくさんあるのですが、その思いはなかなか伝わらないのも現状です。「ゲルニカ」が発表された後も戦争はなくなっていません。 |
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みなさんは普段、美術作品をどんなものだと思って、どんな風に見ているでしょうか? どのような作品にも深い意味があるのだということを意識し、それを知るための努力や会話をしているでしょうか? |
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表現者は常に何かを伝えようと時代や社会に向かって問いかけてきました。しかし発信しても受信してもらえなければ世界は変わりません。鑑賞する者が「芸術作品」とはそういうものなのだということを踏まえ、受け止めなければならないのです。人類が未来のために残してきた多くの知的財産が眠ったままになっています。なんと空しいことでしょう。 私たちは未来のために、意識を変え、もっと努力しなければならないのです。 |