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日本画と洋画の違いについて: 現在私たちが絵を描く際に使用する道具はそのほとんどが西洋絵画の道具であり、表現方法に関しても西洋美術の考え方を基本にしています。日本画と洋画には様々な相違点があり、特別に専門家でなくても一目して見分けはつきます。しかし、具体的に何がどのように違うのか、説明することは難しいと思います。ここでは主に日本画と洋画の違いについて説明したいと思います。 日本画と洋画の基本的な区別は使用される材料、特に絵具の成分の違いによります。絵具は大きく分類すると「顔料・接着剤・溶剤」の三つの要素でできています。顔料とは主に鉱物質の粉、接着剤は顔料を定着させるための成分、溶剤は接着剤を薄めるための成分です。例えば水彩絵具の場合「顔料・ゴムのり・水」でできており、油絵具は「顔料・乾性油(酸化して固まる油)・希釈用油」でできています。これらはどちらも初めから絵具として調合され、チューブに入れられていますが、日本画で使用する絵具はそもそも調合されておらず、自分で絵具にしなければなりません。粉の状態の顔料に、接着剤は「にかわ」という動物のたんぱく質を煮出して固めたものを水で溶かし、自分で調合するのです。この絵の具の違いによって日本画と洋画の質感は大きく異なります。 また材料とは別に表現方法、文化的な違いがあります。西洋では物体を実存的な量や空間として三次元で捉え、表現の方法としては、物を見せている光の反射を忠実に再現します。そして面と面の境界に見える「線」は実在しないものと考え、いわゆる輪郭線は描きません。それに対して日本画では、目で捉えた物体から量感や空間、不必要な影などを排除し、その物の特徴が最も現れている要素だけを抽出し線によって表現します。このような表現は中国から伝来した水墨画などの影響によるものです。中国から伝来した水墨画は大和絵といわれる彩色画と融合し、現在まで続く日本画の形態が確立されてきました。 現在私たちは日常的に西洋美術を目にし、戦後日本に持ち込まれた西洋美術教育を受けています。ですから当然考え方としては西洋的な空間認識とそれを表す表現を求められます。ところが、もともと日本人が持っていた空間認識や表現方法をきちんと整理し、西洋のそれと比較し、明確な区別をしてこなかったことにより、洋画を描いているはずなのに日本画的に「線に頼る」という一般的な表現の混乱が生じてしまっているのです。 |
![]() 作家と作品について: 本田鼎雪(本名:禎太郎)は1910年、宮城県本吉郡気仙沼町(現、宮城県気仙沼市)生まれの日本画家です。 気仙沼市の海産物商の家に生まれた本田は、十代から画家を志し、独学で技術を学んでゆきました。戦前から戦中、戦後、大正から昭和へと変わってゆく激動の時代、青年は美術を生業とする決意を貫いたのでした。 気仙沼で生まれ育ったことの必然だったのか、海をテーマにした作品が本田の特徴と言えます。中でもカツオをモチーフにした作品では、海面スレスレを猛スピードで疾走する様子が躍動的に表現されています。また、波しぶきが立つ磯場を描いた作品なども多く、作家独自の様式化を施され、渦巻くように描かれる水の表現は、強い生命力と圧倒されるような迫力を感じさせます。 動きや時間を固定したように表現されることが一般的な日本画ですが、本田の作品には西洋絵画的な空間性や時間の推移を感じさせる表現が多く見られ、この作家が貪欲に絵画表現を追求した人物であったことが感じられます。 海を題材とした作品が特徴である本田は、それゆえに静岡、焼津、高知、鹿児島などの港町に多くの作品を残しています。また一方で、信仰心の厚い人物でもあり、多くの仏画も描いています。 |